率直に言う JR東日本・東京メトロは「混雑率100%」常態化を即刻解消し、ラッシュ時だけにしませんか?
銀座線・丸ノ内線の状態
東京メトロ銀座線は大混雑で有名だ。コロナ禍以前は、平日の昼間でも 「3分間隔」 で運行され、車体の小ささと6両編成の短さを補っていた。都心の繁華街を発着する路線であるため、混雑は避けられなかった。どの時間帯に乗車しても「混雑率100%」を達成していた。 しかし、コロナ禍後、鉄道利用者が激減したため、銀座線は3分間隔、4分間隔、5分間隔と本数を減らし続けた。しかし、混雑が目立ってしまった。そこで東京メトロはダイヤを4分間隔に変更した。激しい混雑のため、東京メトロは対応を迫られた。人を戻すには電車の本数を増やすしかなかった。 同じような条件の丸ノ内線も同様だった。丸ノ内線は銀座線より少し大きいとはいえ、車両は6両しかない。ここでも新宿~東京あたりの混雑は激しかった。特に赤坂見附の人の動きはすごかった。慢性的な「混雑率100%」がここでも見られる。 もちろん、このような状況は東京メトロの他の路線でもよく見られる。東急電鉄なども混雑がひどいことが多い。
混雑率100%の常態化は問題
鉄道各社は、コロナ禍以来、列車の本数を以前の7~8割に減らしている。この状態がずっと続いている。それが「混雑率100%」の原因だ。 鉄道会社、特にJR東日本は、コロナ禍で減った乗客は元には戻らないと考えている。これが多くの鉄道会社の認識である。それが現在の列車ダイヤにも反映されている。 一方、JR東海、特に東海道新幹線は、コロナ禍収束後の乗客の回復を見越して「のぞみ12本ダイヤ」を洗練させている。もちろん在来線も使いやすくなっている。 「首都圏の通勤電車と東海道新幹線では条件が違うのではないか」 と考える人も多いだろう。しかし、ほとんどの鉄道会社はコロナ禍が終わった後に何をすべきかを考えることができなかった。JR東海の見通しは正しかったといえる。これほど多くの人が戻ってくるとは思っていなかっただろう。 JR東日本などは、列車が減った数よりも乗客が減った数の方が少なかった。それゆえ、山手線や中央線では「混雑率100%」が常態化している。各鉄道会社はラッシュ時の混雑率を測定し、毎年発表している。しかし、実際には列車の種類によって混雑状況は異なり、数値以上に混雑していると感じられるケースも少なくない。 当然、混雑率は低ければ低いほどいい。しかし、朝のラッシュ時はどうしようもない。しかし、朝のラッシュ時以外の「混雑率100%」は問題ないのだろうか。「混雑率100%」を常態化することで 「経営効率を上げようとしている」 のではないか。利益のために 「一定の混雑率を容認している」 のではないか。 それは都市の公共交通のあるべき姿ではない。率直にいって、朝のラッシュ時以外は「混雑率100%」は解消したほうがいい。特にJR東日本や東京メトロは利用者が多く、増発の余地があるのだから、次回のダイヤ改正で検討すべきだ。
小林拓矢(フリーライター)